これまで東日本大震災への継続支援として、支援金、船舶の提供、就業支援などさまざまな形で携わってきました。今回あらためて被災地を訪問し地域のニーズをヒアリングした上で、あたらしい支援活動の内容を決定しましたのでご報告します。
これまでの支援
ホテル観洋さま
震災当日から避難所としてホテルを提供されてきた南三陸ホテル観洋さま(宮城県本吉郡南三陸町黒崎 99-17 http://www.mkanyo.jp/)の女将に話をお伺いすることができました。
世間の「支援」の空気が弱くなりつつある
「2011年の大震災当日からの避難所として、食事の提供からとにかく必死に取り組んできた」と語る女将。文字通り地域の支えとなって奮闘されてこられました。その後地域復興メニュー「キラキラ丼」の開発など、地域の方をまきこんだ取り組みを自らリードしてこられています。
その女将が最近「世間の「支援」の空気が弱くなりつつある」と感じるそうです。震災から5年以上がたち、ある程度地域の方の生活の基盤も形になってきたとはいえ、まだまだどの商売も「震災前の状態には戻りきれていないところがほとんど」とのこと。
とにかく、足を運んで欲しい
女将の願いは「とにかく、足を運んで欲しい」ことに尽きるそうです。日本商店会としても定期的に南三陸に行き、美味しい海の幸や温泉を堪能したいと考えています。また現地でのアテンドもしていただけるので、社員旅行などにもオススメです。
かね久海産さま
乾物などを販売される、かね久海産さまにお話をお伺いしました。
自力で再生にむかった事業者が損している?
行政が主導した地域の仮設商店街「さんさん商店街」というものがあります。もちろん素晴らしい取り組みなのですが、この取り組みが始まる前に自力で再生にむけて動き出した事業者がいくつかあって、かね久さんもそのひとつ。じつは「さんさん商店街」は行政が土地を確保してくれたのですが、それよりも早く行動していた事業者は、いわゆる「いい場所」が取れなかったそうなんです。
そのため復興支援ツアーの団体客もすべて「さんさん商店街」に向かってしまい、「自力で再生した店舗には人が来ない」という皮肉な状況になってしまっている、という現実を教えていただきました。
松岡水産さま
ほやとカキの養殖を営んでおられる松岡水産さまにお話をお伺いしました。
養殖が全部流されて卸先が減ってしまった
これまで「ほや」や「かき」の養殖を営んでおられた松岡水産さま。今回の津波で養殖もすべて流されてしまったそうです。養殖は「出荷できるまでに3年」かかるため3年間商売できない、その間に卸先が他の業者へ流れてしまった、という現状をお伺いしました。いわゆる「直販」への可能性も模索されている様子でした。
とてもつらい状況を経験されたにもかかわらず明るく接していただけるご夫妻にこちらが勇気をいただきました。
たみこの海パックさま
かきの養殖、ならびに乾物の物販をされているたみこの海パックさま(https://www.tamipack.jp/)へお伺いしました。
とにかく雇用をまもりたい
インターネットショップも展開されているたみこの海パックさま。これまでは実際に関わりのある方が購入されているそうです。これからはせっかくのインターネットショップを活用して「知らない人にも買ってもらえる」そして「定期的に買ってもらえる」ショップへ成長させたい、そのための知恵が欲しい、とのことでした。そしてその要望の裏には「地域の雇用をまもりたい」というたみこさんの強い覚悟がありました。
支援内容について
日本商店会では以下の支援を決定しました。
松岡水産さま
インターネットをつかった「直販」の構築を推進することを目的に、以下の制作費を負担することを予定しています。
- ・商品ロゴデザイン
- ・シール
- ・のぼり
- ・簡易インターネットショップ
たみこの海パックさま
会員向けに、購入支援ーアンケートを実施し、今後の展開に対してヒントを提供できる体制づくりを予定しています。
具体的な支援の進捗はまたあらためてご報告します。